2006年度 早・明戦を振り返る
ティーンエイジ時代を振り返ると、僕の憧れは早稲田のラグビーでした。モヤシに毛が生えたようなFWが延々と走りまくり、ブレイクダウンぎりぎりの攻防でSHが素早くボールを捌き、快速バックスが「揺さぶり」続けていました。
スクラムで勝てる訳が無いから、セットと同時にダイレクトフッキングをして、ラインアウトにも高さが無いから、キャッチャーが前後に動いて、スロアーが毎回違う球筋のボールを投げ入れていて。
つまりそれは、体格に劣る日本代表が世界と戦うためのエッセンスが組み込まれていた訳です。だから、憧れであり、可能性を感じていました。
一方、相手FWには「お前年齢詐欺だろ?」適な輩が沢山いて、バックスにも高校ジャパンクラスがうようよいるのに、常にインゴールに一番近づける角度で走りこんでくるのです。
早稲田の選手も、ファンもたまったものじゃない!!
早・明戦の見せ場は、
「インゴール前の明治の猛攻を、早稲田が耐え凌ぐこと」
「全ての局面で早稲田が低いタックルを継続する事」
「国立全体に響き渡る『明治コール』を、落胆のそれに変えること」
「実力差に関係なく、接戦になる事」
「国立観戦に出向いていない馬鹿学生が(笑)、吉報を受け取った瞬間に、誰よりも早く歌舞伎町で暴れだす事」
『ラグビー伝統の一戦』は、ラグビーを超えて一つの「学生文化」を形成していたと思います。晴れて明治大学に入学した学生は、様々なサークルのチラシを手にすることになります。 それが、テニスサークルやスキーサークルであっても、オールラウンドサークルであっても、年間予定表の12月最初の週末には「明・早戦観戦」の文字が記載されていました。
決戦当日には、それぞれのサークルのOB&OGも参戦し、試合前に「縦」の関係を構築するわけです。
●今年の伝統の一戦の結果
早稲田43-21明治
縦攻撃の破壊力が薄れた明治。「前へ」の掛け声が、偽りに過ぎない明治。そんな明治に勝っても嬉しくありません。ちょっとゲインラインを超えたから、ディフェンスに囲まれたから、簡単に寝転んでラックを形成するような選手に、明治のDNAは流れていないでしょう。1cmでもいいから、がむしゃらに前を目指す闘争心が無ければ駄目。簡単にジャッカルされるシーンが目立ちました。
敵陣で貰ったペナルティでスクラム回避なんて、ありえません。最大の見せ場でしょ。従来の早稲田が一番嫌がるプレーなのですから。
それから、スター軍団の皆様。気の抜けたタックルをしている選手が沢山いましたよ。認定トライを取られてもいいようなシーンもありましたね。スクラムを回すのも結構。でもね、強いチームがああいう事をやるのはかっこ悪いでしょう。勝負を左右する場面ならいいよ。負けるような相手じゃないでしょう。正々堂々と、正面から受けてたてばいいのでは?
両校の選手の中で、何人が試合前に「涙」したのでしょうか?
-プレーで魅せる事も大切。でも、「気持ち」を見せる事はそれ以上に重要。
-トライを取る事も重要。でも「自分達のスタイルを貫く事」はもっと大切。
「重戦車」復活の兆しは見えてきました。子供だましの「重戦車」でも会場はそれなりに沸いていましたし。人気者だね、予想以上に。
昨年の横綱ラグビー色が徐々に薄れ、素早いワイド攻撃が帰ってきました。「実力差」、「強さ」からのインゴール突破じゃなくて、オリジナリティー溢れる、魅惑的なトライを目指して欲しい。
昔、フィツ・パトリック(元オールブラックス・キャプテン)が言っていました。
「日本の大学ラグビーには、伝統と格式がある。そして、何よりスピードがある。観ていて楽しい」
明治の縦に抜けるスピード、早稲田の横に揺さぶるスピード。ラグビー観戦初心者には、最適な教材かも知れません。きっかけは何でもいいです。その後も、TLの試合にも足を運んでくれるようになるならば。
最後になりますが、関東学院大学29-35法政の試合の方が絶対に面白かったです(笑)。
| 固定リンク

コメント